インドネシア領パプア。
世界で二番目に大きな島であるニューギニア島の西半分を占め、豊かな自然と天然資源に恵まれる中、250を超える先住民族がこの地において自然と共存した暮らしを営んできました。
パプアにカカオがもたらされたのは、オランダの植民時代1950年頃と言われています。赤道直下にあるパプア北部は年間を通して日照と雨に恵まれ、カカオの生育に適した土地です。パプアの人びとは広大な森の中でカカオの栽培を行っています。
豊かな自然の恵みを大切にしながら生活していたパプアの人々。しかし天然資源を求める外部資本による鉱山開発、森林伐採などの大規模な開発が進められ、人びとは先祖代々の土地を追われることになり、その伝統的な文化と暮らしは脅かされてきました。
また、東南アジア地域の著しい経済発展の波はパプアにも押し寄せており、外部から持ち込まれた生活様式やインターネットに氾濫する情報や娯楽は、伝統的な社会に強い変化をもたらしました。人びとはその変化に直面しながら暮らす道を模索しています。
こうした中、「人と自然にやさしい経済活動によってパプアの村落部コミュニティの自立をめざそう」「パプアの先住民族の人びとが育てるカカオを通じてカカオ生産者と日本の消費者がつながり、ともに未来を作ろう」という取り組みが株式会社オルター・トレード・ジャパンによって始められました。
そして2011年、地元NGOであるパプア農村開発財団(YPMD)を母体として、生産者からカカオを買い付け、発酵・乾燥という一次加工を行う事業体「カカオキタ社」が設立されました。
「カカオキタ」とはインドネシア語で「私たちのカカオ」という意味です。カカオを生産する人、加工する人、出荷する人、製品を製造する人、食べる人、そしてカカオを育む大地と森をも含めすべての仲間が協働することをイメージしてこの名前がつけられました。
”カカオを通じて自分たちの森と暮らしを守りたい。カカオを自らの手で加工し、パプア産カカオでつくった商品を消費者にダイレクトに届けたい。カカオで豊かな未来を自らの手で切り開いていこう。”
2012年にはカカオ事業に関わる皆の想いを受けて、パプア州から12.5トンの乾燥カカオ豆が出荷されました。パプアから出荷された乾燥カカオ豆は、インドネシア国内でカカオマスとカカオバターに加工され、日本で最終のカカオ製品に加工されています。
現在も、パプアの人びとの手によるカカオ事業を支援し、国境・人種・文化の違いを超え、カカオを作る人とチョコレートを食べる人が相互に学び合い、励まし合いながら、人と自然にやさしいカカオ製品を一緒に創造していくことを目指して、カカオ栽培の改善、農産物の多角化、生計向上プログラムなどの活動に取り組んでいます。
パプアのカカオ生産者の多くは「カカオキタと出会ってから大きな変化を実感している」と話します。
「以前は食べたことのなかった、私たちが育てたカカオから作るチョコレートを食べられるようになった。」
「孫の養育費を積み立てられるようになった。」
「以前は多くの生産者がカカオ畑の手入れを怠り、自分で豆の発酵をする人も少なかったが、カカオキタによる買付が始まってからは多くの生産者がアドバイスに沿って発酵作業をしっかりするようになった。」
「都市部から来る買付人にカカオを売ることでは将来の展望が見えず、カカオ畑を放置してしまっていたが、買い手がわかることでカカオの価値を再び見直すことができた。」
「日本の皆さんに私たちのカカオが良いと認められることが私や村の誇りになっている。」
「荒れた森や古いカカオの樹を手入れして、再び実がなるようにした。その結果、収穫量が増えている。生産者のやる気はカカオキタがいるからこそ、そしてカカオキタのやる気も私たち生産者がいるからだと思う。私たちはカカオでつながってお互いに支え合っている。」
たくさんの好意的な声が上がっています。
「パプアのカカオニブ」は、そんな多く人たちの想いと試行錯誤のもとで生み出されたカカオ製品の一つです。
焙煎したカカオ豆を砕いたもので、ナッツのような食感です。
欧米ではスーパーフードと親しまれるカカオニブ。カカオ本来の風味やフルーティーさ、香ばしさをお楽しみいただけます。
熱を加えても溶けないので、ケーキやクッキーなどのお菓子やパンづくりの材料として最適です。
また蜂蜜と一緒にトーストやヨーグルトなどにもおすすめ。アイスクリームにパラパラとトッピングするだけでもその豊かな風味をお楽しみいただけます。
その他お肉料理やサラダのトッピングに、ワインなどのお酒のお供にもおすすめです。
またカカオは「神様の食べ物」と呼ばれるほど栄養豊富と言われており、抗酸化作用のあるポリフェノールが多く含まれています。
その健康効果の高さから、食材や調味料としても注目が集まっています。
カカオキタ社代表のデッキー・ルマロペンさんは、事業によって「みんなで一緒に幸せになる」という考えを大切にしています。
またオルター・トレード・ジャパンのカカオ事業担当者、津留歴子さんは「国境を越えて生産者と消費者が『キタ(=私たちの)』という意識をもってつながり、持続的な農業生産、暮らしや地域づくりを進めるという民衆交易の意義がますます重要になっているのだと思います。」と語ります。
人と自然とお互いを大切にしながら、多くの人たちの想いによって生み出された「パプアのカカオニブ」。
カカオ本来の豊かな風味と香ばしく軽やかな食感をぜひお楽しみください。
名称 |
カカオニブ |
原材料名 |
カカオ豆(インドネシア・パプア州) |
原産国名 |
インドネシア |
内容量 |
100g |
保存方法 |
高温多湿を避け、冷暗所で保存してください。 |
販売者 |
(株)オルター・トレード・ジャパン |