フランス西海岸ブルターニュ地方、大小の入り江が入りくんだル・コワジック岬のふもとに、ゲランドの塩田は広がっています。
ゲランド半島では古くは3世紀ごろから塩田が整備され、その技術は9世紀以前には確立していたと言われています。
太陽と風の力、良質な粘土の地層を活かしてつくられた塩田で、1000年以上もの間受け継がれてきた伝統的手法を用い、熟練の塩職人(パリュディエ)の手によって、『ゲランドの塩』は生産されています。
天日塩は文字通り「天日の力で海水の水分を蒸発させて得られた塩」です。
塩職人たちは潮の満ち引きに応じて海水を引き入れて貯水池に溜めておき、絶妙な傾斜のついた迷路のような水路を経由して、水深わずか数cmの塩田の中心まで海水を導きます。
職人の巧みなコントロールによって、海水はじわじわと蒸発し濃縮され、行きつく先で塩が結晶化するギリギリの塩分濃度になります。
雨量の多い日本では特別な施設なしには難しい、この土地ならではの伝統的製法です。
ゲランド地方は天日塩製造の北限と言われ、適度な日照と気温、そして風の強さが塩づくりのカギとなります。
その絶妙な気候が訪れるのは、1年のうちでも7月〜9月頃だけ。塩の収穫もこの時期に限られます。
最適な気候のもと、死海並みの塩分濃度になったオイエと呼ばれる採塩池では、主に朝と夕方の2回、塩職人がラスと呼ばれる5メートル近い長さのトンボ状の道具を片手に、池底に結晶した粗塩を収穫します。
わずか数センチの深さの池で、5メートル先にくっついた板を操り、池の底をえぐらないように塩だけを手前に寄せ、ラデュールと呼ばれる場所に積んでいきます。
池の底をえぐってしまうと、塩に泥が入ってしまい塩田も傷つくため、熟練の技術を要する非常に難しい作業です。
それゆえ彼らは親しみと敬意を込めてPaludier(パリュディエ=塩職人)と呼ばれます。
塩の収穫期以外にも、堤防の修繕や塩田の水位のコントロール、堆積物を取り除くなどの塩田のメンテナンス作業など、作業は一年中休むことなく続けられます。
天日塩はその地域の気候によって結晶化の速度が異なるため、成分や味わいに産地ごとの特徴があります。
太陽と風、そして良質な粘土層といったゲランドならではの自然環境を最大限に活かして作られる『ゲランドの塩』は、 マグネシウムやカルシウム、鉄分を多く含みます。
海水のミネラル由来の複雑な味わいは、素材によく馴染み、料理の味を格段に引き立ててくれます。
古くはブルボン王朝時代から今日に至るまで、 フランス料理の名シェフたちから高い評価を受け続けてきました。
粒の大きい粗塩は、煮込み料理や鍋料理の味付けのほか、梅干し作りなどにもおすすめです。
様々な時代の流れの中で1000年以上もの間、連綿と受け継がれてきた塩田と伝統的手法。
塩職人たちが大切に守り続けてきたその味わいを、ぜひ日々の食卓でお楽しみください。
名称 |
食塩 |
原材料名 |
海水 |
内容量 |
800g |
原産国名 |
フランス |
輸入者 |
(株)オルター・トレード・ジャパン |
ご注意 |
天日塩のため、天然物(海藻など)が混じることがございます。 |